北海道癌談話会

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癌情報の発信と、癌研究の発展のために

ご挨拶

Kakizaki picture 第127回北海道癌談話会例会の会長をさせていただきます旭川医科大学腎泌尿器外科の柿崎秀宏です。会長にご推挙頂きました諸先生に心より御礼申し上げます。
癌の研究と臨床への応用は、まさに日進月歩です。臨床の場ではさまざまな癌に対して、抗がん剤はもとより分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬が単独あるいは併用で使われるようになり、かつては根治不能であった進行癌においても癌を制圧できる可能性があることが示されています。がんゲノム医療も徐々に浸透しつつあり、腫瘍組織や血液を用いたがんの遺伝子異常に基づいたプレシジョンメディスンも可能となりました。今後、がん治療のさらなる成績向上のためには、基礎研究から臨床へ、臨床から基礎研究へ、そしてがん診療に携わる多職種間の連携というmultidisciplinary approach が重要です。

第127回北海道癌談話会例会は、第103回北海道医学大会の分科会として2023年11月11日(土)に北海道大学医学部学友会館「フラテ」にて開催されます。本例会では、札幌医科大学遺伝医学講座 教授 櫻井晃洋 先生に「がんと遺伝」をテーマとして特別講演をお願いしております。
第127回北海道癌談話会例会が癌の研究・診療に関わる方々にとって貴重な情報交換の機会になることを心から願っております。

2023年度北海道癌談話会会長
旭川医科大学 腎泌尿器外科学講座 教授

柿崎 秀宏

過去会長挨拶

近藤会長顔写真 第125回北海道癌談話会例会の会長を仰せつかりました北海道大学遺伝子病制御研究所幹細胞生物学分野の近藤亨でございます。ご推挙頂きました諸先生に心から感謝申し上げます。
近年、試験管内ミニ臓器(オルガノイド)構築が注目を集めております。この新たな研究領域は多能性幹細胞から脳を誘導した研究が発端となり、今までに眼杯、肝臓、腸、多臓器、涙腺、内耳など機能的なオルガノイドの作製報告が相次いでおります。更に、マウス脳に移植したヒト大脳オルガノイドにマウス由来の血管が誘導・形成され、長期にわたりヒト神経細胞が生存・機能していることが証明されています。このように、オルガノイド研究は、新たな臓器移植の方法に繋がることが期待されると共に、2次元培養では不明であった組織構築に関わる分子メカニズム解析、遺伝性疾患を含む病態研究とその治療法開発に有用な手段となることが期待されています。

癌研究においても、患者由来のオルガノイドが患者体内の腫瘍の性質を保持し、移植したマウス体内で元の腫瘍に酷似した腫瘍を形成することが報告されております。正常オルガノイド同様に、癌オルガノイドもまた腫瘍形成に関わる新たな分子メカニズム発見、新規癌治療法の探索・開発に威力を発揮することが期待されています。こうした背景を踏まえて、本例会の特別講演は京都大学医学研究科クリニカルバイオリソース研究開発講座 教授 井上正宏先生に「がんオルガノイド培養とがんの多様性・可塑性」についてご講演をお願いしております。多くの会員施設の皆様に是非ご参加頂き、最新の癌オルガノイド研究についての情報共有と意見交換の場となりましたら幸甚です。
本年の例会は10月22日(土曜日)に北海道大学医学部学友会館「フラテ」で開催いたします。例年通り本例会におきましても若手研究者を対象とした奨励賞の受賞式および受賞講演も行います。今後の癌研究と本談話会を担う若手研究者の方々には特に積極的なご参加をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
癌談話会のもう1つの重要なイベントである春季シンポジウムは、2022年8月6日に旭川医科大学内科学講座 病態代謝・消化器・血液腫瘍制御内科学分野教授藤谷幹浩先生ならびに北海道大学大学院医学研究院 分子病理学教室教授谷口浩二先生が代表世話人を務められ、「炎症性発がんのメカニズムに迫る!-共通の分子異常と臓器特異的メカニズム」をテーマにして開催される予定です。こちらも是非ご期待ください。

2022年度北海道癌談話会会長
北海道大学 遺伝子病制御研究所 幹細胞生物学分野 教授

近藤 亨

平野会長顔写真 この度、第122回北海道癌談話会例会の会長を務めさせていただきますことを大変光栄に存じます。御推挙いただきました諸先生に心より感謝申し上げます。

さて、近年のゲノム診断、免疫治療の臨床応用は、網羅的なリアルワールドデータの蓄積を生み、グローバルな医療連携ネットワークによる情報の集約化やAIを駆使した自動解析技術を用いた情報分析が今後の更なる医療の前進には欠かせない状況です。

 2017年のオバマ前大統領の一般教書演説に始まったプレシジョンメディスンは着々と臨床への実用化が進み、昨年から一部のがん遺伝子パネル検査が保険収載され、標準治療不応性の難治性癌に対する適切な薬物治療の選択に有益な情報をもたらしています。同時に、がんの遺伝子異常に関する大規模なデーターの蓄積が進み、がんゲノム医療中核拠点病院を中心とした、地域での密接なチーム連携を基盤にした情報の集約と解析が道内の先進的医療施設で進んでいます。

 また、免疫チェックポイント阻害剤を中心とした近年の免疫療法は、一部の癌腫でガイドライン推奨治療となっており、今後は奏功例の臨床データを解析することにより、さらなる治療成績の向上に資するバイオマーカーの探索が重要となります。患者血液などの体液を用いて、低侵襲に診断と治療効果予測を行うリキッドバイオプシーも臨床研究と応用が進められており、今後は、画像診断、組織診断と併せてがん医療の進歩に絶大な効果を発揮することが期待されます。

 基礎研究の臨床応用(トランスレーショナルリサーチ)、臨床データの基礎へのフィードバック(リバーストランスレーショナルリサーチ)は、サイエンスの前進に欠かせない車の両輪であり、病理、免疫、生化学、遺伝子生物学はもとより、腫瘍内科学、腫瘍外科学と癌に関係するすべての領域分野の研究者が癌談話会の名のもとに活発な議論を交わし、患者治療成績の向上に寄与することが本会の伝統であると考えています。

 本年の第122回例会は第100回北海道医学大会の下で、10月17日(土)に北海道大学医学部学友会館フラテ」で開催いたします。恒例となっております特別講演は、三重大学大学院医学系研究科 遺伝子・免疫細胞治療学 教授 珠玖 洋先生にご講演をお願いしておりますので、多くの会員施設の皆様にご参加を頂き、活発な議論をしていただけますよう宜しくお願いいたします。

 尚、癌談話会のもう1つの重要なイベントである春季シンポジウムは2020年6月22日(土)に札幌医科大学医学部泌尿器科学講座教授舛森直哉先生ならびに北海道大学大学院歯学研究院口腔病態学分野血管生物分子病理学教室 教授 樋田京子先生が代表世話人を務められ,「低酸素・代謝とがん微小環境」をテーマにして開催される予定です.こちらのほうも是非ご期待ください。

2020年度北海道癌談話会会長
北海道大学大学院 医学研究院 消化器外科学教室II 教授

平 野   聡

P1060201顔写真会長時野隆至先生
2019年度の癌談話会例会を開催させていただきます札幌医科大学の時野隆至です.

 近年の癌研究においては,基礎研究の成果が臨床に直結して活かされています.腫瘍で活性化した癌遺伝子を阻害するさまざまな分子標的薬は広く治療法として定着しました.またsynthetic lethality(合成致死効果)に基づく癌抑制遺伝子を標的とした治療薬も期待できる時代になってきました.さらに,2018年のノーベル生理学・医学賞からもわかるように,免疫チェックポイント阻害剤も革新的な治療法として注目を集めています.また,次世代シーケンサーの出現は癌ゲノム研究に革命を起こし,基礎研究の牽引から診断・治療方針まで応用される時代になってきました.

 2019年度,第120回北海道癌談話会例会(第100回北海道医学大会腫瘍系分科会)は10月12日(土曜日)に札幌医科大学キャンパス新棟(平成29年12月完成)で開催いたします.毎年恒例となっております特別講演は,札幌医科大学医療人育成センター生物学教授 佐々木泰史先生に,「癌ゲノム研究」の研究成果および最新の動向についてのご講演をお願いしております.本談話会の大きな特長は,基礎研究から診断・治療など診療現場に直結する臨床研究まで,全ての領域を網羅するがん研究をカバーしていることです.本年の特別講演は,基礎から臨床まで幅広い研究者が興味を持って討論していただける企画になっておりますので,長い歴史と伝統をもつ癌談話会例会に多くの癌研究者が参加されますようお願い申し上げます,特に若手研究者の発表を期待しております.平成24年度より若手研究者を対象に奨励賞の選考を行っており,本例会においては受賞式および受賞講演も行っております.今後の本談話会の発展を担う多数の若手研究者からのご応募,ご推薦を期待しておりますので,よろしくお願い申し上げます.

 癌談話会のもう1つの重要なイベントである春季シンポジウムは2019年6月22日(土)に北海道大学大学院内科系部門腫瘍内科学教授 秋田弘敏先生ならびに札幌医科大学医学部第一病理学講座教授 鳥越俊彦先生が代表世話人をされ,「がん免疫療法の基礎と臨床up-to-date」をテーマにして開催される予定です.こちらのほうもご期待ください.

2019年度北海道癌談話会会長
札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門 教授

時野 隆至

西川2017

 平成30年度の北海道癌談話会の会長を仰せつかりました西川祐司でございます。武田勝男先生、和田武雄先生、小林博先生、漆崎一郎先生など北海道の癌研究、癌医療の錚錚たる先達に端を発する北海道癌談話会において一役を担わせていただくことは私にとり身に余る光栄であり、あらためて気が引き締まる思いをしております。

 ホームページの記載にありますように、本談話会は北海道における癌の研究および診療の進歩・発展を促すことを目的に活動している学術団体で、道内の癌研究・診療に携わる大学や病院から構成されています。施設の垣根を越えたこのような研究活動は北海道独自のものであり、多くの共同研究を醸成し、北海道からの癌に関連する医学情報の発信に大きな役割を果たしてきました。

 最近の網羅的なゲノム・エピゲノム解析、分子標的治療、免疫治療の発展などは癌研究や癌医療の姿を大きく変えつつあります。しかし、これらの発展は、これまで地道に続けられ、蓄積されてきた個々の研究成果に基づいているものであり、その意味で私たちそれぞれのユニークな研究から得られる知見の重要性は今後さらに増していくに違いありません。

 平成30年度の癌談話会例会(第118回北海道癌談話会例会、第98回北海道医学大会腫瘍分科会)は10月6日(土曜日)に旭川市国際会議場大会議室(大雪クリスタルホール内)で開催いたします。会場は旭川駅の南側を流れる忠別川の向こう側にあり、天候がよろしければ最近完成した橋を渡り、10分ほどの散策を楽しんでいただけると思います。

 毎年恒例となっております特別講演は、山梨大学大学院医学工学総合研究部 解剖学講座細胞生物学教室 竹田 扇(せん)先生にお願いしました。先端的な分子細胞生物学分野で顕著な研究業績を上げられてきた先生ですが、最近、質量分析計を応用したまったく新しい癌診断法も開発されており、今年から医師主導治験も開始されるとのことで、タイムリーで興味深いお話をお聞きできると考えております。また、基礎、臨床の幅広い分野から多数の一般演題のご応募をお願いいたします。完成された研究成果のみならず、予備的な結果や解釈が難しいデータなども含めてご発表いただき、若手、ベテランが時間を忘れて自由闊達に意見を交換し合う「談話会」になればと心から願っております。

 平成24年度より本談話会では若手研究者を対象に奨励賞の選考を行っており、例会において受賞講演をしていただいております。今後の本談話会の発展を担う若手研究者の方々の多数のご応募、ご推薦を期待しております。詳しい情報は本談話会のホームページにも掲載されておりますので、どうぞご確認ください。

 癌談話会のもう1つの重要な事業であります春期シンポジウム(第117回癌談話会)は、北海道大学腫瘍病理学講座 田中伸哉教授と旭川医科大学消化器・血液腫瘍制御内科学分野 水上裕輔准教授のご担当で、「がんゲノム診断」をテーマにして行われる予定です。詳細は後ほどホームページやポスターなどでお知らせいたします。

 最後になりましたが、すばらしい伝統を持つ本談話会がますます発展するよう、微力ながら尽くしていく所存ですので、ご協力のほどどうぞよろしく願いたします。

平成30年度北海道癌談話会会長
旭川医科大学病理学講座腫瘍病理分野 教授
西川祐司

会長写真 ここ数年の癌研究の進展は目覚しいものがあります。顕著なこととしまして、『癌を代謝疾患として捉える』視点が明確になってきたことがあります。これまで遺伝子変異によって細胞の癌的増殖が促されるとされてきました。変異した遺伝子産物やゲノム状態によって、増殖関連遺伝子や生存性制御関連遺伝子などの発現が変化し、癌細胞が増えるというものです。しかし、では一体どのようにして癌化細胞が増殖するのかに関する分子的実態は不明であり、「増殖に関わる遺伝子が異常高発現するから」等という単純な説明しかありませんでした。この数年の癌研究の成果によって、癌的ゲノム変異の主な標的は『代謝リプログラミング』であることが明白になりました。また、ヒストンコードを含むエピゲノム修飾も実験系における理想状態で描かれたものに過ぎず、実際は、細胞の代謝状態やATP産生機序の変化、周囲のpH変化などによって、ダイナミックに変化することも明確になりました。抗がん剤が十分な効果を発揮するのは免疫サーベイランスを介してであることや、腸内細菌も重要な役割を果たしていることもわかりました。さらには、少し前になりますが、癌では非幹細胞から幹細胞が自然と生じる事や、intratumor heterogeneityの存在によって従来のような生検のやり方はあまり意味がないことも示されています。従いまして、precision medicineということが盛んに言われていますが、このような癌細胞の示す多様性やplasticityを考えますと、何をもってprecision medicineとするのかはむしろ困難であることが明確になってきました。

このような癌研究の進展は、これまでの癌治療や医療を否定するのではなく、特に、癌と代謝・免疫との関係の明確化は、未来に向かって新しい扉を開く必要があることをその具体的可能性と共に示し始めていると言えます。このような発展をもたらしたのは、ゲノム科学、代謝産物を含めた生体物質に関する生化学・分析化学、さらには、細胞生物学、構造生物学、数理生物学などなど、多分野広領域における技術革新と研究進展の結果と言えます。一方で、R. Weinberg博士も述べられていますように、単なるビックデータ解析では研究の目覚しい進展や新しい概念形成はあまり望めません(AI技術がもっと発展すれば、これも可能になるかもしれませんが)。このような時代に生きる我々癌研究者や医学者にとりまして、現場に密着した様々な情報の交換や共同研究が益々大きな威力となります。癌に関する新しい医学・医療を切り開くフロンティア精神が発揮される時かと存じます。長い伝統に支えられた北海道癌談話会が今までにもまして、そのようなことに大きく貢献できますよう祈念いたしております。

平成29年度北海道癌談話会会長
北海道大学大学院医学研究科
生化学講座分子生物学
佐邊壽孝

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 北海道癌談話会の平成28年度会長を仰せつかりました高橋弘毅でございます。微力ではありますが、会の発展のため務めさせていただきますので、皆さまのご指導ご支援を宜しくお願い申しあげます。

  本談話会は1966年に発足した半世紀とういう長い歴史をもつ学術団体で、北海道におけるがん研究および診療の進歩・発展を促すことを目的に活動しています。道内4つの医・歯・看護系の大学・学部に設置されている講座・研究室、並びにがん診療を積極的に行っている市中病院が施設会員となり構成されており、その数は80にのぼります。そこに所属する医歯薬学系の研究者、医師等の医療関係者は我が国で死因第1位の悪性新生物と日々対峙し、その撲滅に精魂を傾けております。本談話会の大きな特長は、発がん機構の解明や創薬に関わる基礎研究から診断・治療、緩和ケアなど診療現場に直結する臨床研究まで、しかも、肺がん、消化器がん、婦人科腫瘍等、悪性腫瘍の全ての領域を網羅するがん研究を幅広く行っていることです。北海道のがん研究の総力が結集しているといって過言でありません。そして、北海道からの情報発信、情報共有やコミュニケーション、共同研究の基盤となるべく活動しています。

 本談話会の主な活動であります、北海道癌談話会例会(第111回)を第96回北海道医学大会の腫瘍系分科会として、平成28年9月3日(土)に札幌医科大学記念ホールで開催します。特別講演「免疫チェックポイント阻害剤が変えるがん治療:光と影」を鳥越俊彦教授(札幌医科大学医学部病理学第一講座)にお願いしております。また、6月25日(土)には豊嶋崇徳教授(北海道大学大学院医学研究科内科学講座血液内科学分野)並びに竹政伊知朗教授(札幌医科大学医学部消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座)が世話人となり、春季シンポジウムをTKPガーデンシティアパホテル札幌で開催します。特別講演「白血病の起源について-基礎から臨床へ-」を小川誠司教授(京都大学腫瘍生物学)にお願いしております。また、本談話会では癌医療、癌研究に関わる若手医師、研究者を対象に奨励賞の選考を平成24年から実施しております。今年度も多くの応募がありますことを期待しております。応募基準等の情報は本ホームページにも掲載しておりますので、是非ご覧いただければ幸いです。

最後に本談話会の活動が益々活発になり、本道から多くの有益な医学・医療情報が発信されることを心より祈念しています。

平成28年度北海道癌談話会会長

札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座 教授

                      高橋弘毅

H27会長 秋田弘俊平成27年度北海道癌談話会会長を仰せつかりました北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野、秋田弘俊です。
歴史ある北海道癌談話会の会長を仰せつかり、とても光栄に存じます。

本談話会は、北海道における癌研究および癌診療の進歩・発展を促進することを活動目的としている学術団体です。本談話会は北海道内で癌の基礎研究、応用研究、臨床研究、社会医学研究など、幅広い領域の癌研究に携わる研究室、さらには病院を施設会員として、それぞれの場で日夜精力的に研究や診療等に励んでいる研究者や医師、大学院生などの学生によって構成されており、北海道からの情報発信、情報共有やコミュニケーション、共同研究の基盤となるべく活動しています。

平成27年度は北海道癌談話会例会を例年通り、第95回北海道医学大会の腫瘍系分科会として、平成27年9月12日(土)に北海道大学医学部学友会「フラテ」で開催します。併せて、6月6日(土)に札幌市内で春季シンポジウム「膵臓癌の最新の基礎研究から臨床まで」を平野聡先生(北海道大学大学院医学研究科消化器外科学分野Ⅱ)と狩野吉康先生(札幌厚生病院第3消化器内科)のお世話で開催します。

北海道癌談話会の会員施設、並びに、そこで活動する研究者や医師、大学院生などの学生のより一層の発展のために、本談話会が貢献できますことを心より祈念しています。

平成27年度北海道癌談話会会長
北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野 教授

秋田先生署名

 

 

H26会長 澤田典均

北海道では昭和初期から市川厚一北大教授を中心にがんの制圧活動が盛り上がり、爾来今日まで日本のがん制圧活動をリードしてきました。がん制圧のためのがん研究は、基礎と臨床の垣根を越えた研究者が参加する北海道癌談話会の設立により、一層活性化されました。北海道癌談話会は、これまでおおよそ50年に亘って北海道のがん研究者の情報交換を中心に活動を行い、北海道のがん研究を支えてきました。最近はがん研究の性格上、研究の対象が、臨床各科、基礎医学、薬学、分子生物学など多岐にわたり、それぞれの領域で細分化する傾向にあります。またシークエンサーの急速な進歩によりホールゲノムのデータベースを利用した研究などが普通に行われるようになり、情報が氾濫しています。もはや一研究者、一研究室で行うがん研究は限界に来ています。一方、がん研究者は、適切で分かりやすい情報を一般の方に提供する義務があり、がんについての広報活動が年々重要性を増してきました。しかしがんの情報についても細分化された領域にそれぞれ専門家がおり、一人の研究者ががんの全てを正確に把握することが困難になってきました。

このような時期に北海道癌談話会ホームページの運用が始まります。このことによりがんについての正確な情報や北海道内におけるがん研究の成果を一般の方に広く知っていただくことができるようになります。さらに北海道内の異分野の研究者の迅速な情報交換・共同研究にも貢献するものと思います。始まった時から完全な形のホームページはあり得ませんから、アクセスする方のニーズに対応して適宜改良を重ね、日本中さらには世界中の方々に北海道からがんについての情報を発信することができようになることと、北海道発のユニークながん研究が飛躍的に発展することに役立つことを信じております。最後になりましたが、開設に向けて検討を重ねてこられた、北海道大遺伝子病制御研究所浜田先生を中心とする方々に御礼申し上げます。

2014年6月

平成26年度北海道癌談話会会長
札幌医科大学 病理学第二講座
教授 澤田 典均

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